擁壁に注射?

yacip2007-04-11

これは、擁壁に本当に注射している所です。

何の事?、はいそれは人間も病気になれば、治療の為処置をする様に、構造物も治療を施します。

専門的に申し上げれば、薬注入(コンクリートをくっ付ける薬を注入しています)にて割れを塞ぐ工事です。

擁壁の至る所に、クラック(ひび割れ)を生じ、そのまま放って置けば更に傷み、倒壊の可能性もある為、処置をしている所です。

唯、この場合、家と共にこの擁壁は4年ほどしか経っていない物件です。
地震が原因?、地震でもありません。

建物も、同じようにたくさんクラックを発生させておりました。(プライバシーの関係上、建物はお見せ出来ませんが)

状況を確認する仕事で、遭遇いたしましたが、明らかに施工不良、建物などは、根本的な施工方法の誤りでした。

この設計施工は、大阪で何箇所も、住宅とマンションを分譲されている会社です。

今まで、住宅の外壁から、或いは擁壁の内部に、恐らくたくさんの雨水が入り込んでいた事でしょう。

被害の詳細と現状を把握するだけでも、後からだと解体でもしない限り、大変な費用と手間が掛かります。

この場合、この対処方法以外に、見当たらないので実施しているに過ぎません。(解体して再度施工の手はありますが)
人間なら、治療で怪我、病気が治ればほとんど元通りです。しかし構造物の場合は、どうでしょうか?。

恐らくこの物件の寿命は、通常よりかなり短くなったと推測できます。

また、根本原因を直すのは至難の業です。(この場合、設計ミス、鉄筋とコンクリートの施工不良等)

きっちりした施工業者を選ぶ事、またそれを確認する手段を持つ、それが大事な事ですね。