建物と地盤と基礎補強 その1

yacip2008-06-02

近い将来おきると、予測されている各地の地震はやはり心配です。建物と地盤と基礎補強が気になるところですね。

これから時々、建物と地盤と基礎補強のトラブルを一般の方にも出来るだけ理解して頂ける様、解りやすく過去の経験談として記載いたします。建物の心配事を増やすかも解りませんが、それでも参考になれば幸いです。


建物は支持層(地球の内部へ向かって建物の重さを掛けても受け止めてくれる一定以上の強度を有した硬い層)まで基礎或いは基礎補強がきっちりと乗っかっている事が重要です。(いわゆるベタ基礎だけの場合或いは表層改良の場合は、支持層ではなく建物を面として支える考え。層の深さにも地域、場所により0〜数十m以上の所などさまざまです。例として、確か岡山の何箇所もの基礎補強を視察した際は、関西の2〜3倍かそれ以上深かった記憶があります。びっくりするほど杭を打ち込んでいましたよ)

ご依頼で行った、ある木造二階建て住宅でしたが、裏が少し崖地になっている物件で、どうも家が傾斜している様な、部分的に下がっている様な、との話が有り、水平の測定と床下などの調査を行った結果、部分的に下がっている事が判明しました。(この場合の症状は、床壁の水平垂直不良、基礎のクラック、サッシの作動不良など)

改めて、当該部分の基礎を掘り起こして原因の調査をしました。この場合の基礎補強は、たくさんの鋼管杭を打つ工法でした。
しかし、支持層まで打つべきところがたった一本だけですが支持層まで到達しておらず、それが原因で建物の傾きを発生させていたのです。
莫大な費用を掛け、基礎の下から、杭の再施工と共に建物のジャッキアップです。やれやれ。

この様な事態に気付き修理が完了して良かったんですが、その前に大きな地震が来なくて本当に良かったと感じました。
わずかなミスでも、建物は答えを返すんだなあーと痛感致しました。